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同一労働同一賃金関連の法改正動向

こんにちは。大野事務所の深田です。

 

「同一労働同一賃金」は、2018年に成立したいわゆる働き方改革関連法の一環として、パートタイム労働法がパートタイム・有期雇用労働法へ生まれ変わる中で法制化され、20204月(中小企業への適用は20214月)から施行されました。

 

同一労働同一賃金を踏まえた実務対応ということでは、

・基本給や賞与は、処遇差を設ける場合の理由を明確に説明できるようにする

・福利厚生的な性質の手当・休暇・施策等であれば、(所定労働日数等に応じた金額や休暇日数の違いを設ける余地はあるにしても)基本的には同一の扱いをする

といったことがいえ、職務内容等が異なることを前提に処遇差を設けるとした場合に、処遇の趣旨・目的を踏まえた説明が非常に重要となります(いわゆる均衡待遇)。

 

また、これまでには最高裁判決も含めた裁判例が複数出ており(現時点では大半の裁判例が旧労働契約法第20条での違法性をめぐるものです)、裁判例の全体的な傾向としては以下のようなことがいえます。

・基本給や賞与の差について不合理と判断した最高裁判決は今のところない

・手当や休暇の差は不合理と判断されやすい

 

このように、基本給や賞与の差について不合理と判断した最高裁判決は今のところないわけですが、基本給や賞与支給の差が「不合理と認められるものに当たる場合はあり得る」(名古屋自動車学校事件(最一小判令和5.7.20))とされているところであり、基本給・賞与の性質や支給目的を整理して説明できるようにしておくことが肝要だといえます。

 

各種手当や休暇等については、「同一の支給・付与」が基本的な方向性だといえますが、所定労働日数の違いに応じて支給額や休暇付与日数に差を設ける、非正規雇用労働者について私傷病休職の期間は契約期間満了日を超えることはないとする、といった扱いをすることは選択肢として考えられるでしょう。

 

定年後再雇用時の処遇も争いとなり得る部分ですが、裁判例では「定年後再雇用である」こと自体を不合理性の判断における「その他の事情」として勘案し、結果として処遇差が不合理との判断には至らないケースが少なからずあるのが現状です。

 

非常に大まかにまとめると以上のとおりですが、同一労働同一賃金に関しては法施行後5年を目途に所要の見直しを行うことが法制定当時に附則で規定されていたため、見直しに向けた労働政策審議会での議論が昨年からスタートし、一定の結論を得るに至りました。その結果、法律自体の改正まではされませんが、施行規則と告示(ガイドライン)が改正され、本年101日から施行・適用となります。主な改正事項は、以下のとおりです。

① 雇い入れ時の労働条件明示事項の追加(省令)

② 同一労働同一賃金ガイドラインの改正(告示)

③ 雇用管理の改善等に関する措置内容の改正(告示)

 

①については、労働条件の書面明示事項(パートタイム・有期雇用労働法第6条第1項)に、法第14条第2項の規定による説明を事業主に求めることができる旨を追加するものです。従来からの明示事項である「雇用管理の改善等に関する事項に係る相談窓口」に対し、「通常の労働者との間の待遇の相違(内容・理由)等について説明を求めることができる」旨、雇用契約書(労働条件通知書)に記載することとなります(以下の「厚生労働省モデル労働条件通知書」参照)。

 

②については、以下のとおりです(「パートタイム・有期雇用労働法施行規則/雇用管理指針の主な改正事項」(厚生労働省リーフレット)より)。

 

③については、以下のとおりです(同上)。

 

執筆者:深田

深田 俊彦

深田 俊彦 特定社会保険労務士

労務相談室長 管理事業部長/パートナー社員

社会人1年目のときの上司が元労働基準監督官だったことが、労働分野へ関心を寄せるきっかけとなりました。
日頃からスピード感を持って分かりやすくまとめ、分かりやすく伝えることを心掛けています。また、母の「人間は物事が調子良く進んでいるときに感謝の気持ちを忘れがちである」という言葉を、日常生活でも仕事の上でも大切にしています。

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