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改正育児・介護休業法に対応した育児休業給付

こんにちは。大野事務所の深田です。

 

最近の私のコラムでは改正育児・介護休業法関連の話が多くなっていますが、今回は同改正に伴う雇用保険育児休業給付の見直しについて見ていきます。

 

本年10月から施行となる育児休業制度に係る改正(育児休業の分割取得、出生時育児休業(産後パパ育休)の創設、1歳を超える休業の開始日の柔軟化)に対応する形で、育児休業給付金も支給されるようになります。それについて、厚生労働省から既にリーフレットが出されています。

 

<令和410月から育児休業給付制度が変わります(厚生労働省)>

000838696.pdf (mhlw.go.jp)

 

リーフレットのサブタイトルにも「育児休業の分割取得、産後パパ育休に対応した育児休業給付が受けられます」とありますように、基本的には育児・介護休業法の改正に対応するものだといえますが、リーフレット内にある図解のうち「事例②」がやや分かりづらいのではないかと思っています。

 

 

「事例②」については、休業の様子からすると、「本人」がパパ、「配偶者」がママを想定しているように見受けられますので(そのこと自体は図を読み解くことと直接関係がないのですが、イメージしやすくするためにあえて申し上げました)、以降は「パパ」「ママ」と表記させていただきます。

 

「事例②」の流れを解説しますと、まず、産休を終えたママが引き続き育休を取得しました(1回目)。その後、パパが育休を取得し(1回目)、ママは一旦復職しましたが、改めて2回目の育休を取得しました(現行法上は1回目の育休がいわゆるパパ休暇である場合または厚生労働省令で定める特別の事情がある場合でなければ、子が1歳に達するまでの間に2回目の育休取得はできませんが、本年10月以降は2回までの分割取得が認められます。)。ママの育休(2回目)の最中にパパは復職しましたが、その後パパも2回目の育休を取得しました。

 

さて、ここで注目していただきたいのが、パパの2回目の育休が1歳を超えて継続しているという点です。これは、ママの2回目育休よりも後に休業を開始したことをもって「パパ・ママ育休プラスによる休業だから」ということかと思いますが、今回の改正事項ではなく事案としても主たるものとはいえないパパ・ママ育休プラスをここに絡めてくるのは、かえって混乱を招くのではないだろうかと感じてしまいます。ちなみに、某ハローワークに「これはパパ・ママ育休プラスということですよね?」と確認したところ、「あー、なるほど。」と言われてしまいました。

 

「事例②」に関してもう一つ気になるのが、1歳を超える休業における「延長交代」という文言です。リーフレットの本文でも、「育児休業の延長事由があり、かつ、夫婦交代で育児休業を取得する場合(延長交代)は、1歳~16か月と16か月~2歳の各期間において夫婦それぞれ1回に限り育児休業給付金が受けられます。」との記述があります。

 

「交代」という言葉からしますと、「配偶者の休業終了日の翌日から休業開始(=休業期間が重なっていない)」というように読めるのではないかと思われ、「事例②」の図もそのようになっています。確かに改正育児・介護休業法のリーフレットでも「途中交代可能」という言い方がされているのですが、実際にはそのような交代での休業に限られるものではありません。

 

現行法上、16か月に達するまでの育休の開始日は子の1歳の誕生日(パパ・ママ育休プラスを利用している場合には当該休業終了日の翌日。以下「原則の開始日」といいます。)に限られていますが、配偶者が原則の開始日から育休を開始している場合には(つまりは、配偶者が先に育休を開始している場合には)、「配偶者の育児休業終了予定日の翌日以前の日を開始日とすることができる」というのが今回の改正内容です。「休業終了予定日の翌日以前の日」ですので、夫婦交代ということもあれば、休業期間が一部重なるということもあり得るわけです(16か月から2歳に達するまでの休業についても同様の考え方です。前回のコラムご参照)。

 

この点、育児休業給付金は雇用保険法に基づくものですので、育児・介護休業法とは異なる独自の定めがあるのかとも思い、改正後の雇用保険法施行規則第101条の22を確認してみましたが、支給条件としては改正育児・介護休業法の内容を踏まえたものとなっていました。

ちなみに、こちらについても先ほどの某ハローワークに確認してみましたが、「リーフレットの内容について厚生労働省から詳しい説明がおりてきていないので、よく分かりません。」とのことでした。

 

今回大幅に改正されることとなる育児・介護休業法については、当該改正への実務対応はもちろんのこと、社会保険料免除の申し出や育児休業給付金の支給申請についても、対応の漏れがないよう情報を収集しつつ準備しておきたいですね。

 

執筆者:深田

深田 俊彦

深田 俊彦 特定社会保険労務士

労務相談室長 管理事業部長/パートナー社員

社会人1年目のときの上司が元労働基準監督官だったことが、労働分野へ関心を寄せるきっかけとなりました。
日頃からスピード感を持って分かりやすくまとめ、分かりやすく伝えることを心掛けています。また、母の「人間は物事が調子良く進んでいるときに感謝の気持ちを忘れがちである」という言葉を、日常生活でも仕事の上でも大切にしています。

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