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「大丈夫です。」は本当に大丈夫か?―「人と人との関係性」から人事労務を考える㊽

こんにちは。

大野事務所の今泉です。

 

さて、私はよくYouTubeを見るのですが、とある動画を閲覧しているときに広告(Premiumを契約していないので・・・)が流れてきて、以下のような言葉が映し出されました。

 

すべての悩みは対人関係である

 

ご存知の方も多いかもしれませんが、これは著名な心理学者であるアルフレッド・アドラーの言葉です。

何の広告だったのかスキップしてしまったので分からないのですが、かなりキャッチーなフレーズであることに間違いはありません。

 

少し極端にも聞こえるこの言葉、仕事の将来への不安とか自分自身の能力に対する悩み等、そういった極めて個人的なものまで、本当にすべてが対人関係なのだろうか、と唸ってしまいますが、よくよく考えてみると、多くの悩みは「人からどう見られているか」「相手にどう思われているか」といったところに繋がっているのかもしれないな、と思わせるものです。

 

似たような言葉に次のようなものもあります。

 

地獄とは他人のことである

 

こちらは、フランスの偉大な哲学者、ジャン=ポール・サルトルの言葉です。悲観的ですがこちらもかなりインパクトのある言葉です。

 

どちらも、人間が生きていく上で「他者」がいかに大きな存在であるかを表しているように思います。いかに他人の目を気にしながら生きているか、ということですね。

例えば、

 

「上司からどう評価されているだろう」

「周りの人からどう見られているだろう」

「自分は恥ずかしい人間だと思われていないだろうか」

「あの人に嫌われたくない」

 

枚挙に暇がありません。

 

以前このコラムでも書いた「心理的安全性」の話とも繋がるように思いますが、気にしなくともよいと思いながらも、そうするのは難しいですし、ましてや他人と切り離して生活するなんてことは、仙人でもない限り無理な話です。

 

そこで、より良い関係性という観点から、このコラムでは「対話」ということを頻繁に取り上げてきました。

 

誤解されがちなのですが、対話が重要だというのは人と人との関係性を築く有効な手段だからです。対話すること自体が目的ではありませんから、何のために対話するのかをはっきりしておかないと、単なる雑談になってしまいます(もちろん、雑談の効果というものもあると思いますが。)。

 

そして、対話とは言語による情報のやり取りのイメージが湧きますが、それだけでなく表情、視線、声のトーン、話すスピード、姿勢、うなずき方など、言葉にならない情報からも相手の感情や気持ちを読み取っています。いわゆる「ノンバーバル・コミュニケーション」と呼ばれているものです。

 

例えば、「大丈夫です」という言葉でも、笑顔で相手の目を見ながら言われるのであれば安心もしますが、俯いて小さな声で言われれば、「本当は大丈夫ではないのでは?」と感じます。言葉では「大丈夫」と言っていても、表情や態度から受け取る側の印象はまったく異なるものとなります。

 

言語(「大丈夫です」)と非言語(「俯いている、声が小さい」)とが一致しないような状況における情報の影響度を明らかにしたものとして、メラビアンの法則というものがあります。

1971年にアルバート・メラビアンという心理学者によって提唱されたもので、以下のような結果となった、というものです。

 

はたらきかける情報の種類

影響力の割合

言語情報(Verbal

7%

聴覚情報(Vocal

38%

視覚情報(Visual)

55%

 

つまり、最も影響度が大きいのは、視覚から入ってくる情報だということであり、ノンバーバルという括りでいえば、93%を占めている、ということを示しています。「目は口程に物を言う」とはよくいったものです。

 

また、ここから、

 

人は見た目が9割

 

というような、これまた印象的なフレーズが生み出されたわけですが、実はすべてのケースに当てはまるわけではありません。

 

上述のように、メラビアンの法則はあくまでも言語と非言語の情報が一致しない(矛盾している)ケースに限定されるものです。

そういったことから誤解されているフレーズといえるのかもしれません。

 

ただ、翻って考えれば、「表情や声のトーンなどと話している内容に矛盾が認められたとき、他人は前者の方を優先する」ということはいえるでしょう。

 

つまり、相手に何かを伝えたいときは、表情や声のトーンあるいは身ぶりや手ぶりなどと話す内容とを一致させることがポイント、といえると思います。

言語による情報のみならず聴覚による情報、視覚による情報にも気を配る」ということです。

 

 

気温の変化が激しく体がついていけない私ですが、皆様もご自愛ください。

 

本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

今泉 叔徳

今泉 叔徳 特定社会保険労務士

パートナー社員

群馬県桐生市出身。東京都立大学法学部法律学科卒業。
人事労務関係の課題解決の糸口としてコミュニケーションや対話の充実があるのではないかと考え、これにまつわるテーマでコラムを書いてみようと思い立ちました。日頃の業務とはちょっと異なる分野の内容ですので、ぎこちない表現となってしまっていたりすることはご了承ください。
休日には地元の少年サッカーチームでコーチ(ボランティア)をやっていて、こども達との「コミュニケーション」を通じて、リフレッシュを図っています。

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