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賃金不払・長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果について 等

※弊事務所のお客様に対し、タイムリーな情報提供を目的として配信しているメールです。

 

平素は大変お世話になっております。
社会保険労務士法人大野事務所のメール配信事務局です。

 

本日は以下3点についてご案内します。

 

==目次====================================
【1】 賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果について
【2】 長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果について
【3】 フリーランスの取引に関する新しい法律ができました
========================================

 

【1】 賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果について

厚生労働省は、賃金不払が疑われる事業場に対して労働基準監督署が実施した監督指導(2022年1月~2022年12月実施)の結果を取りまとめ、監督指導事例と共に公表しました。今回、全国の監督署で取り扱われた賃金不払事案の件数は20,531件、対象労働者数は179,643人、金額はおよそ121億円にのぼり、1事案における最大支払金額が2.7億円にまで膨らんだケースもあったとのことです。別紙の「監督指導結果等」では、不適切な労働時間管理により賃金不払が生じた事例が掲載されていますので、その一部をご紹介します。

 

・自己申告による残業申請内容とPCや設備の使用記録に乖離が確認された
・タイムカードの出退勤時刻と残業申請内容に乖離があったものの、管理者の確認が不十分で、黙認していた
・割増賃金の支給上限時間数を設定し、それ以上の時間外労働があっても一律に上限時間数でカットしていた
・労働者からの聞き取り内容と、タイムカードや賃金台帳との整合がとれず、改ざんが疑われた

 

■厚生労働省 賃金不払が疑われる事業場に対する監督指導結果(令和4年)を公表します
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34397.html

 

 

【2】 長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導結果について

【1】と時期を同じくして、長時間労働が疑われる事業場に対する監督指導(2022年4月~2023年3月実施)の結果と監督指導事例が公表されました。対象となったのは33,218事業場、その内の26,968事業場(81.2%)で労働基準関係法令違反が確認され、主な違反内容として以下のものが挙げられています。

 

①違法な時間外労働があったもの…14,147事業場(42.6%)
②賃金不払残業があったもの…3,006事業場(9.0%)
③過重労働による健康障害防止措置が未実施のもの…8,852事業場(26.6%)

 

なお、令和3年度の監督指導結果においては32,025事業場の内、23,686事業場(74.0%)で法令違反が確認されており、特に①・③について、8ポイント近く増加している傾向が読み取れます。文書内では11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中に重点的な監督指導を行う方針が示されている他、2024年4月には自動車運転業務等の一部業種で時間外労働の上限規制に係る適用猶予措置が終了となる ことから、監督調査においては今まで以上に労働時間管理に対して厳しい目が向けられることが予想されます。会社様におかれましては上記を念頭に、今一度労務管理体制の点検、見直しを検討頂くことをお勧めします。

 

■厚生労働省 長時間労働が疑われる事業場に対する令和4年度の監督指導結果を公表します
 https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_34504.html

 

 

【3】 フリーランスの取引に関する新しい法律ができました

労働市場の流動化、働き方の多様化が進む中、業務委託契約によってフリーランスを活用されている会社様も多いのではないでしょうか。ランサーズが一昨年実施した「フリーランス実態調査2021」によると、日本のフリーランス人口は1670万人で、労働人口の24%を占めているとのことです。

さて、いわゆるフリーランス保護新法が本年5月に公布され来年秋頃までの施行を控えているところ、厚生労働省では特設ページが公開され、リーフレットによる周知が行われています。特設ページ内では説明資料やQ&Aも用意されており、情報は随時拡充される予定とのことです。

リーフレットでは法律の適用対象者や取引の態様、発注事業者がフリーランスに対して果たすべき義務についてわかりやすく説明されています。書面による取引条件の明示や育児介護と業務の両立に対する配慮、中途解除等の事前予告など、労働関係諸法令と類似した規定が散見され、労働者保護の観点を準用した内容となっていることが窺えます。フリーランスを活用されている会社様におかれましては、施行後の具体的な対応を検討する上で参考となる内容が掲載されていますので、是非ご参照ください。

 

■内閣官房、公正取引委員会、中小企業庁、厚生労働省 フリーランスの取引に関する新しい法律ができました
 https://www.mhlw.go.jp/content/001124404.pdf

■厚生労働省 フリーランスとして業務を行う方・フリーランスの方に業務を委託する事業者の方等へ
 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyoukintou/zaitaku/index_00002.html

 

なお、弊事務所ホームページでは法改正情報等のニュースやコラムを定期的に掲載しておりますので、是非ご参照ください。

 

■法改正情報
https://www.ohno-jimusho.co.jp/special_info/sp03/

■大野事務所コラム
https://www.ohno-jimusho.co.jp/category/cate-3/#catetitle

 

 

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